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組織変革に挑むデータ仲間に「現場の声」を聞いてみた!
こんにちは。Cross Technology Center データインテリジェンス部にてアナリティクスエンジニアをやっています八杉です。
1年前に「社内データ活用インフルエンサー輩出プログラム」を立ち上げ、ビジネスの現場から組織変革する仲間作り(データ人材育成)を行っています。本記事では、それぞれの事業部門で活躍するデータ仲間による "現場の声" をインタビュー形式でお届けします!
インタビューに入る前に
パイオニアのアナリティクスエンジニアには・・・
ゼロイチに限らず本質に向き合う経験の積める環境で、自己成長やキャリア支援をしてくれる上司や、互いに刺激し助け合える仲間がいます。
アナリティクスエンジニアの役割としてのデータ業務はもちろん、データ活用の効果や価値を高めていくための現場インタビューも行っています。ぜひ最後まで読んでいただけると嬉しいです!
インタビュー
自己紹介
八杉:
データ組織のアナリティクスエンジニアとして、育成プログラムの企画・講師として一緒にパイオニアのデータ活用を進めている八杉です。
本日はインタビュアーとしていろいろと伺っていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
それでは加藤さんから自己紹介をお願いします。
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加藤:
モビリティーコンシューマーカンパニー 市販事業統括グループ 海外PdM部 の加藤です。車に搭載するディスプレイオーディオに連携するアプリのPdM(プロダクトマネージャー=責任者)を担当しています。同時に、ディスプレイオーディオを購入いただいたお客様にうまく活用いただくための企画や売上管理も担当しています。
田嶋:
カスタマーファースト推進本部 プロダクト品質保証部の田嶋です。パイオニア製品全体の品質に関するデータの管理、収集・分析(支援)を行っています。
八杉:
加藤さんは初回のプログラムに参加、田嶋さんは現在、2回目のプログラムに参加していますね
ゴール達成へのプロセス可視化、「判断基準」が常に頭の中に
八杉:
はじめに、プログラムに参加する前と比較して「(自分は)変わったな」と感じられることはありますか?
加藤:
まわりの方々から「めちゃくちゃ成長したね!」ってよく言われます(笑)
インフルエンサープログラムに参加していなかったらどうなっていたんだろうと考えるとゾッとするくらい、考え方とか仕事に対するアプローチが根本的に変わりました。
プログラムに参加した当時は未経験の企画部門に異動して間もない時期で、何も分からない中、毎日手探りで仕事をしていた感じでした。しかし、今は目的意識を持って仕事に取り組めていて、スピード感や成果の精度が上がってきていると感じます。
八杉:
なるほど!「仕事の型」ができた感じですかね?
加藤:
そうですね。ゴールから逆算してアクションに分解し、KPIツリーを可視化したこと。さらにプロセスを反復したことで、頭の中に常にツリーがある状態になりました。それによって、初めて取り組む業務でも、この課題はどの部分にあたるのか?優先度はどの程度か?ということを常に意識して考えられるようになったと思います。
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八杉:
ツリーを作る過程で判断基準が明確になったのですね、人に説明することで自身に定着していくことってありますよね。
「データありき」から「必要なデータを取りにいく」への行動変化
八杉:
田嶋さんはプログラムに参加されてみていかがですか?
田嶋:
新しいスキルを学ぶ機会を得られたことがとても良かったですし、楽しいです!
八杉:
ご自身でもいろいろ勉強されていて、BIツールの修得がとても早く順調に進められていますよね。
田嶋:
難しいところもありますが、今まで手作業でやっていたことが簡単に実現できたり、視覚的に表現できたり、なんて親切なツールなんだろう!と感動しながら進めています(笑)
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考え方の面では、先にゴールを明確にし、そのためのプロセスを逆算で考えるやり方を学べたのは大きかったです。
普段からデータを扱う仕事をしているのですが、これまでは「手元にあるデータをどう分析するか?」に終始していて、結果を共有しても「そうだよね・・・」みたいな反応で終わることが多くありました。
まさにプログラムの中でアンチパターンとして紹介されている "よくある失敗例" に陥ってしまっていたのだなと気づきました。
現在は、まだ成果には結び付いていないものの、分析の目的を伝えた上で必要なデータを取得するよう調整を行っています。
八杉:
早速行動に移されていて、前向きな姿勢が素晴らしいですね!
上長とのすり合わせで視座を上げ、視野を広げる
八杉:
今後の参考に、プログラムの中で特に苦労したことがあれば教えてください。
加藤:
KPIツリーを作るところと、その前段階でとても苦労しました。
「本質的な課題ってなんだろう?」「この課題を解決したらゴールを達成できるのか?」っていうところに時間をかけられていないままKPIツリーを作り始めてしまい、見直したとき「この指標ってゴールに繋がってないじゃん!」って気づいて手戻りが発生、その時は泣きそうでした。(笑)
でも振り返ってみると、最初にゴールは何か?取り組むべき課題は何か?っていうのをカチッと決めておく必要があったと感じています。
八杉:
当時、製品がローンチされる前で "まだ発生していない課題" を想定する必要もあり、苦戦されているところもありましたね。加藤さんは当初、「これをやらなきゃ!」って視野が狭くなっているように感じられる部分がありましたが、進むにつれて全体を俯瞰して見るように切り替えて取り組まれてましたね。
加藤:
はい、最初は「データ分析=ユーザーログの分析」だと思って取り組んでしまい、ユーザーログを分析することが目的になってしまっていたと思います。
八杉:
考え方が変わったきっかけはありますか?
加藤:
プログラムの中で作った戦略を"責任者とすり合わせる"というステップがあり、そこで責任者から「そもそもこのアクションが売上にどのくらいインパクトがあるのか分かりにくい」とフィードバックを受けたことがきっかけでした。
私は売上に直接関与しないので、最初は「どうして他部門のことまで考えるのだろう」とモヤモヤしながらやっていた部分もありました。しかし、やっているうちに結局全体を説明できた方が優先順位付けや責任者とのすり合わせが進めやすく、納得を得られるなという考え方に変わりました。
また、マーケティングや営業など幅広い領域に踏み込むことで複数のプロセス指標を見ていかないと・・・と思ってしまいがちですが、先行指標、遅行指標を分けて考えることで、ビジネスゴールに対して「今、何に力を入れるべきか?」を考えることができたと思います。
八杉:
対話を通じて目線をすり合わせていくことって大事ですね。
自身の経験を伝えることで他者の学びにつなげる
田嶋:
実は私もKPIツリー作成にハマりました(笑)
私はある程度整理された指標をツリー化していくワークだったので、比較的簡単なはずだったのですが、KPIツリーの考え方がうまく理解しきれず、ゴールから逆算したステップに落とし込むことが難しかったです。
八杉:
加藤さんの経験談が腑に落ちて進めやすくなったと伺いました!
田嶋:
はい、ワークショップの中で加藤さんが作ったKPIツリーのBefore - Afterを見せてもらい、とても参考になりました。自分は「こういった考え方でスムーズにいってないんだな」、「こう考えればいいんだな」というポイントが見えてきて、そこからスムーズに進んだと思います。
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八杉:
加藤さんのお話、とても効果があったようです。プログラム卒業生としてお話いただきありがとうございました!
加藤:
私の失敗から学んでもらえたのですね、私も苦労したポイントなのでお役に立てて良かったです!
参加者の立場から講師に・・・さらなるスキルアップ
八杉:
加藤さんは現在、プログラムで実施したワークショップを自部門で展開し、講師を担当されていますよね。実際にやってみていかがですか?
加藤:
苦戦じゃないですけど、教えるってめちゃくちゃ大変だなって感じています。初期の自分と同じで、参加者が具体に走ってしまう傾向があるので、そこをいかに抽象に戻すか、見方を変えてみて本質的な部分に話を戻すかに苦労しています。やりながら壁にぶつかってしまうこともありますが、楽しくやっています。
八杉:
講師として人に教えることって難しいですよね。先輩方に対してコメントする場面もあると思いますが、皆さんの反応はいかがですか?
加藤:
話をしていると、みんな困っていることがいっぱいあるのだなということが分かります。正解を提示することはできないですが、考え方や「このあたりは〇〇さんと会話してみるのはどうですか?」などを提案しながら一緒に考えています。プログラムの反復をしているような形で自分もまた勉強になっています。
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八杉:
関係性も良好で良かったです。人に教えることって自分で実施する以上に知識が必要で、考えを深めるとても良い機会だなと思います。
部門間コミュニケーションの活性化
八杉:
他の担当者との会話を促されているということですが、私自身、転職してきて「部門を超えた横のコミュニケーション」をもっと活性化していきたいなと感じています。
加藤:
ワークショップをやりながら、私はいろいろな方と繋がることができているなと思います。
私の部門にはそれぞれ個別の製品を担当するPdMが集まっているのですが、商品企画だけでなくマーケティングや販売の話、購入いただいた後のことまで考えるきっかけにもなったと感じています。
結果的に他部門とのコミュニケーションが取れてないところも問題だと改めて感じているので、今後、PdM起因で働きかけを行っていきたいと感じています。
八杉:
いいですね!プログラムを卒業した方同士で継続的に情報交換できる状態が理想だなと考えています。そのために、プログラム終了後も定期的に現状の取り組みや課題を相談、解決する時間を設定しています。
具体的に、教育プログラムの横展開がうまくいった事例では成功の要素を言語化してナレッジ展開し、他の方が進めるときにそれを活用できるようにコミュニケーションを促しています。
現状、私から働きかけている割合が多いですが、自発的に質問し合う、アドバイスをし合うコミュニケーションが徐々に増えてきていると実感しています。
加藤:
自分が構築したダッシュボードにさまざまな視点でフィードバックをもらえたり、教育プログラムを進める上での難しさ・気づきなどを話せたりするので、自身の活動の参考になりますし、「皆さん進んでいるなぁ」と焦りと同時に刺激もたくさんもらえるので、モチベーションの向上に繋がっています!
まずは隣の方から、そして全社へ
八杉:
では最後に、今後目指していきたいところを教えてください。
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田嶋:
今は学んだスキルを自分で活用する範囲に留まっているので、今後は自部門に活用を広げていきたいと思っています。
これまでも同じ部署のメンバーにスキルを伝えたり、対話をしてきましたが、セルフで活用してもらうには至らずで・・・。短期間で集計を求められる場合もあり、私に調査をお願いした方が早いというスタンスになってしまっている部分があると思います。
でも、今後スピードを上げていくためには個々でデータを見られるようにする必要があると感じているので、スキルを広めていきたいと考えています。
八杉:
そうですね。1人で全て引き受ける体制だとボトルネックになってしまうので、まずは組織内にデータ仲間を増やしていけると良いですね!
加藤:
私はプログラムで学んだことを活かし、データを使ってPDCAをまわしていけるように体制を構築している段階で、早く成果を出したいです。計画してきたところがKGIにどのように跳ねるのか検証が楽しみですし、周りを巻き込んでKGIを達成し喜び合いたいなと。それまでめげずにやっていきたいと思います!
八杉:
ぜひ、成功事例を携えて全社展開していきましょう!
お二人ともありがとうございました、引き続き一緒にスキルアップしていきましょう!
最後に
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