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発想力でデータを活用。AIエンジニアというキャリア

従来の「“モノ”を売る」ビジネスモデルに、ソフトウェアなどの“コト”を掛け合わせ、ソリューションサービス企業への変革を推進しているパイオニア
その中で社員は何を考え、どのように働いているのか? AI技術部の社員にインタビューしてみました。

今回話を聞いたのは……

石﨑 友也
Cross Technology Center AI技術部
2017年4月新卒入社

業務内容

──新設のAI技術部で、新たなサービスを開発

最近できたばかりのAI技術部という部署で、AIの開発をしています。元々はデータエンジニアとして入社し、さまざまな情報を内包する素材をAIにインプットするためのデータ処理などを行っていました。パイオニアでは、車両センサーで感知される緯度や経度、速度といった大量のデータを分析して、サービスの精緻化や向上、より良いビジネスの創出につなげています。カーナビから収集したデータは、分析しやすいように加工する作業が必要なんです。
 
今は処理済みデータを使った新たなサービスの開発に取り組んでいますが、これから部門としてどんどん業務の幅は広がっていくと思います。昨年はサンフランシスコで開かれた「Data+AI Summit」という勉強会にも参加させてもらいました。すごく刺激を受けた反面、“パイオニアの技術力も決して遅れをとっているわけではない ”と感じられたのは、大きな収穫でしたね。

学生時代から入社まで

──パイオニアとリンクする、“車”と“音”というテーマ

大学では数学系を専攻していたのですが、2年生の頃にプログラミングの楽しさに目覚め、情報学系に変更しました。初めは単純に“プログラミングってかっこいい”という憧れから入りましたが、友人と勉強会を開くなどして学びを深めていきましたね。
 
研究室では、道路の音から路面の状態を検知するシステムを構築しました。音っていろんな情報を持っていて、車が通りすぎる「ザー」という音一つで、その車の速度や道路の濡れ具合などを推測できるんですよ。研究のために、自分ではんだごてを使い端子を接合してマイクを作り、路上に置いてデータを採取していました。元々音楽が好きで、大学時代にはパソコンを使って作曲するなど、“音”に興味があったんです。その点では、音響製品であるスピーカーを祖業とし、現在車に関連する製品を開発しているパイオニアと深くリンクしていました。

入社からこれまでのキャリア

──フレッシュな感性で生み出した新たな概念

入社してすぐに配属されたのは、データを分析してその価値をサービスに活かす部署。そこで、人が自宅を拠点に車で移動すると、行動履歴が家を中心にウニの殻のようなジグザグとした線を描くという「ウニ分析」を提唱したところ、高く評価してもらえました。これまで雑多で膨大だったデータをそのように“見える化”することで、よりパーソナライズされたサービスへつなげていくことが可能になります
 
例えば、毎日の行動履歴が描く“ウニ”の形から、一度しか行かなかった目的地を省き、頻繁に訪れる場所をマークして線でつなぎます。おそらくそれは会社や学校、近所のスーパーなどですよね。そうすると、その人が普段この範囲の中で生活しているという“生活圏”が見えてくるんです。もしこの生活圏内に観光名所があったとして、そこが毎日通る場所であれば、カーナビでの情報提供は不要でしょう。でも、ここを初めて訪れる人に対しては、案内があったほうが親切であるといえます。そのような個別のサービスを、より精度の高い状態で可能にするための考え方が「生活圏判定」です。これが実際にドライブレコーダーと音声ナビを搭載した「NP1」という商品のサービスに採用され、活かしてもらえたのはうれしかったですね。

詳しいウニ分析についてはこちら。

チームの雰囲気とこれからの展望

──ユニークなアイデアのために、考え抜く

僕自身は「この内容でいつまでに仕上げてください」と、内容や納期のすべてが事前に定められた開発よりも、自由にやらせてもらえるほうが肌に合っていると感じていて。その点は、パイオニアの基本的なスタンスと同じなのでよかったなと思っています。以前の部署では2週間に一度、各々の開発の進捗をシェアする時間があり、「ウニ分析」もその時にフィードバックやアドバイスをもらって改良を重ねていきました。チームでは先輩がこまめに業務をサポートしてくれましたし、仕事の後に夕飯をご一緒したり、ボードゲームをやったりと、心は学生時代と変わらない感じ(笑)。上司や先輩は歳が離れていても心が若いなと感じられる人ばかりでした。僕が取り組んでいることに対し、人として興味を持ち本気で意見をくれるので、勉強になることも多かったし、アドバイスが自分の中でも腑に落ちて助かりました。
 
今はせっかくAIの部署に来たので、この分野で作りたいものを短時間で形にできるようになりたいなと思います。最終的な目標は、周囲に認めてもらえるクオリティのものを、すぐに出せることですが、まずは簡単なプロトタイプであっても、発想がおもしろいものをどんどん作っていけたらなと。そのために週に1度、30分程度ですがアイデア出しの時間を取るようにしています。いいアイデアって、やはり考える時間を作らないと出てこないなと思っていて。よく「ボーッとしていたらいい案が浮かんだ」とかも聞くんですけど、それも考える時間をちゃんと用意した末の結果だと思うんですよね。

どんな後輩が欲しい?

・最高だと信じたアイデアを、自信満々で見せてくれる人
 
研究も趣味の作曲も、わりと“自分さえ満足できればいいや”みたいな考えに陥りがちなんですが、これまでの業務では、先輩方にしっかり指摘してもらうことでより良いものができたと感謝しているんです。だからぜひ、後輩として入ってくる人にも「これ、最高だと思います!」ってアイデアを持ってきてもらいたい。そうしたら、こちらからも意見を出しながら一緒にいろいろ考えられて、おもしろいものができるのではないかと。たぶん僕はしっかりした先輩というよりも、“仲良し担当大臣”みたいになっちゃう気がしますけど……一番関わりやすい先輩目指して、自分らしくいきたいと思います!