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身体で聴こう音楽会~身体で聴くってどういうこと?~

パイオニアの社会貢献活動について

パイオニアグループは、企業理念「より多くの人と、感動を」に基づき、パイオニアの持つ技術・経験・ノウハウを活かし、「」「環境保全」「教育支援」を中心に、社員一人ひとりが積極的に参加する社会貢献活動に取り組んでいます。具体的な活動としては、「身体で聴こう音楽会」「ものづくり教室」「キッズアイデアソン」「パイオニアの森活動」などです。今回は、その中でも代表的な『身体で聴こう音楽会』について、書いていきます。

身体で聴こう音楽会について

『身体で聴こう音楽会』は、もっともパイオニアらしい社会貢献活動のひとつです。
 
創業者の松本 望(故人)が考案した、音を振動に変える体感音響システム「ボディソニック」を使い、聴覚障がいの方も一緒に音楽を楽しんでいただける音楽会を、1992年から定期的に開催しています。
パイオニアが主催する定期コンサートのほかに、他団体が主催するコンサートやイベントにも、ボティソニックを貸し出しており、近年は年間50回ほど実施し、多くの方に音楽を楽しんでいただいています。

このボディソニックを開発したきっかけは、ロケット工学で有名な、糸川英夫博士(故人)による社内講演だったそうです。その時の提言をヒントに、松本 望が自宅の研究室で 「ボディソニック」の研究・開発に取り組みました。
 
一般に「音楽は耳で聴く」と言われていますが、糸川博士は「音楽は耳と骨で聴いている」と提言。
~音楽は、聴覚を通して聴く「音波」と「ボーンコンダクション」(骨伝導)の2つの成分を聴いている。つまり音楽は耳だけで聴くものではなく、体全体で感じるものである。音楽を聴く人が真の恍惚感に浸るのは、このボーンコンダクション効果が大変大きく、骨伝導のエネルギーの伝わりがオーディオ機器には不可欠である。~
この考えから開発されたのが、体感音響システム「ボディソニック」です。

「ボディソニック」の第1号が誕生(1980年)した頃、当時会長だった松本 望が、「この骨伝導を利用すれば、聴覚障がいの方でも音楽やリズムを楽しめるのではないか」と考え、聴覚障がい者団体などの協力のもと、さまざまな研究を行いました。その中で、聴覚障がいの方の喜ぶ姿や感動した様子に感銘を受けた社員が「企業のボランティア活動に活用してはどうか」と提案し、第1回『身体で聴こう音楽会』が1992年に開催されました。

グッドデザイン受賞!

『身体で聴こう音楽会』は、2018年度グッド デザイン・ベスト100を受賞しました。
 
聴覚に障がいのある方のために、全身で聴く方法を開発したという「体験のデザイン」と、長く継続して開催を続けている「社会貢献活動のデザイン」、2つの視点で評価をいただきました。

グッドデザイン賞は、これまでモノに対する評価が多かったのですが、最近は『身体で聴こう音楽会』のようなコト(サービスや体験)に対する評価も増えています。この受賞により多くの方に『身体で聴こう音楽会』の活動やコンセプトを知ってもらうことが出来、新たなお客さまや企業からの問い合わせも増えました。

30周年特別記念公演について

『身体で聴こう音楽会』は、おかげ様で今年30周年を迎えることが出来ました。 30年という長い歴史の中では、存続の危機を迎えたこともありました。そんな中でも来場してくださるお客さまや当社の社会貢献活動に共感してくださるプロの出演者のご支援により、ここまで音楽会を継続することができました。
 
2022年12月17日に、めぐろパーシモンホールにおいて「30周年特別記念公演」を開催しました。
 
第一部はフィルハーモニッシャー・コールによるクリスマス曲とハートフルメッセンジャーズの手話を、 第二部は特別ゲストとして八代亜紀さんにご出演いただき、ジャズも交えた数々の名曲をお届けしました。『身体で聴こう音楽会』としては初めて、著名な芸能人の方をゲストとしてお呼びしました。

八代さんはあらゆる年齢層から支持を得ており、特に『身体で聴こう音楽会』のお客さまからは絶大な人気があります。八代さんのハスキーボイスは「ボディソニック」にピッタリで、また演歌だけではなくJAZZも歌っていただけること、また熊本地震災害支援などのボランティア活動も積極的にされていることから、ぜひ八代さんにご出演いただきたいと思いお願いしました。
 
実際にお会いした八代さんはとても気さくで、フレンドリーな方でした。しかし、ひとたびステージに立たれた八代さんはさすが演歌の女王の貫録で、そのギャップもまた魅力的でした。八代さんの容姿の華やかさや歌声が素晴らしいのはもちろんのこと、チャーミングなお人柄に、会場にいる全員が魅了されました。

お客様からは
・「今年の年の瀬、まさか八代亜紀さんの生歌に触れられるなんてとても良い1年になりました」
・「難聴になってから好きな音楽とかコンサートに接することが無くなりました。パイオニアさんのお陰でコンサートに来ることができて幸せです」
・「音のない世界で、音楽をのぞく!楽しめることが幸いと思います」
・「こんなに長く続けてこられて感謝の気持ちで一杯です」
・「聴こえなくなったのは本当に残念ですが、励まされています。パイオニアの精神はありがたいです」

といった多くの喜びの声を聞くことができました。

これからの身体で聴こう音楽会について

聴覚に障がいのある方もそうでない方も一緒に楽しめる音楽会。企業理念「より多くの人と、感動を」を具現化したこの音楽会は、パイオニアの精神そのものであり、その精神に共感してくださる多くの方々に支えられています。
お客様の笑顔、出演者の笑顔に出会いたくて、これからも私たちはこの『身体で聴こう音楽会』を続けていきたいと思っています。
 
2023年3月4日(土)に、第267回定期コンサートが開催されます。
場所は武蔵小杉にある川崎市総合自治会館、出演はフラワーメイツによる手話コーラスと、柿生初のアイドル「男女混合コーラスダンスグループAMW」によるステージをお届けします。1月末より受付開始予定なので、みなさんもぜひいらしてください!

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