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愛社精神と考える、真の顧客ファースト

従来の「“モノ”を売る」ビジネスモデルに、サービスが生み出す“コト”を掛け合わせ、ソリューションサービス企業への変革を推進しているパイオニア。ビジネスモデルの変革に合わせて品質保証をどう変えようとしているのかお伝えします。

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今回、お話を聞いたのは……

相澤 龍
カスタマーファースト推進本部
カスタマーファースト推進グループ SaaSカスタマーファースト部
カスタマーサポート戦略室 室長

業務内容

──ビジネスチェンジに合わせたサポート戦略を切り拓く

これまで20年近く、パイオニアが100%出資する子会社で国内外のアフターサービスに携わってきました。製品の修理の流れや料金体系、保証期間を過ぎた場合のアフターサービス施策など、BtoCにおけるお客さま対応の実務やプロセスづくりが主な仕事でしたね。
 
そのような従来の“カスタマーサポート”を司り、子会社の実働チームの指揮を執っていたパイオニアの「品質保証本部」が、今年の1月から「カスタマーファースト推進本部」へと組織名称を変更しました。私自身はそのタイミングでパイオニアへ出向し、会社が新たなサービスを提供していくための顧客サポート体制やシステム整備を行う「カスタマーサポート戦略室」の舵取りをすることになりました。現在、当戦略室は、アフターサービスの企画業務に長年携わってきた一人、ITシステムのスペシャリスト、私を含めた3名のメンバーがいます。
 
“モノ”と“コト”を掛け合わせたこれからのビジネスモデルを成功させるためには、土台がしっかりした継続的なカスタマーサポートが必要で、お客さま中心の考え方を持たないと発展は見込めないと言っても過言ではありません。そのために、‟ありたい姿“と‟現状”とのギャップを洗い出し、プロセス自体はもちろん、サポートする側のマインドも変えていくべきだということが見えてきました。

今、取り組んでいる課題

──皆が納得する、真の“カスタマーファースト”の実現

主な取り組みで具体的に一つ挙げるとすれば、業務の推進を支えるシステムの改変ですね。今まで、サポートを行う我々にとっての使いやすさを第一に考えて整備されてきました。そうすることが、効率や利便性のアップに直結すると信じられていたんです。しかし、いざ会社が新体制になり、いろいろな要素をつなげて新たなことに取り組もうとすると、お客さま情報の一元化や、業務ステータスの“見える化”ができていないことが分かって……。それぞれのシステムが個々にカスタムされ過ぎていて、統一することが難しくなっていたんです。それでは本当の意味での“カスタマーファースト”は実現できない。そのため今は、互換性が高く必要に応じて結合しやすいシステムのほうに、我々の業務を合わせていこうとしているところです。
 
大事なのは、そういった変化の意味や意義について、実働チームのメンバーがしっかり納得した上で新システムを使ってくれること。我々リードする側の「ああしたい、こうしたい」という思いを、現場で実際に使う人にこそ理解してもらうことが重要です。それができないと、せっかく新しいシステムを導入しても、元に戻さないといけないことになりかねないので。今はまさに、新たなシステムを導入して徐々に成功事例を作っていこうとしている過渡期です

変化に対して、思うこと

──“お客さま”を第一に、残すべきものとは

会社がどんどん変わっていく中で、自分自身の立場や業務も変化しました。現在の業務の打診を受けた当初は、私も「自分じゃなきゃダメなのかな?」と思ったくらいです(笑)。誰かもっと知見のある人に外部から来てもらったほうが、改革としてはよいのでは、と。しかし、この改革が誰のためなのかと言うと、パイオニアのお客さまのためなんですよね。そこを考えると、やはりこの会社の歩んできた道や発展の経緯を知っていて、再上場への意気込みも強い、我々のような従来からの社員のほうがよいのかと感じました。外部から来てもらったメンバーだけに任せて、本質的に違う会社になってしまうのもよくないのかなと思います。この会社の強みを生かした形で新たなものを取り入れて、これまで以上によくしていきたいという気持ちが、私の今のモチベーションです。
 
一方で、変えなくてよいと思うものもあります。それはパイオニアが従来持つ、居心地がよくチャレンジしやすい環境です。もちろん私自身も失敗を恐れる場面はありますが、「こういうことをお客さまのために行いたい」と声を上げれば全面的にサポートしてくれる会社ですし、チームのメンバーたちにはそうした声を実行に移してもらうことが大事だと考えています。この会社では、失敗して誰かを責める場面はほとんどなく、なんでも“学び”と捉えて次のことを考える風土がここにはあります。それはぜひ残すべきだと思います。

私自身、学生時代からパイオニア製品の大ファンなんです。社員になってからのほうがその度合いは高まり、特に入社当初は、社内販売以外でも自社製品を量販店などでよく購入していました。今は会社としてモビリティ分野に特化していますが、やはりエンターテインメント性の高さはすごいと思いますし、その部分を盛り返していこうという動きも。そんな新たなパイオニアを世の中に打ち出していきたいし、そのために万全の準備をしていきたいなと感じているんです。

どんな人が向いている?

・SaaS企業での必要なアクションを打ち出せる経験値のある人
・理想と現実のギャップを埋めるためにどうしていくべきか、組み立てができる人
 
現状は、変化の過渡期にありながらまだまだノウハウが足りておらず、スピードが追いついていません。SaaS企業での経験があって、具体的な進め方や次の動き方を一緒に考えてくれる人に来ていただけたら心強く思います。