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入社後の研修内容って? 若手エンジニア座談会

パイオニアでは、ソフトウェア系の新入社員に正しいソフトウェアスキルを身に着けてもらうべく、3ヵ月にわたるソフト研修を実施しています。
2022年に入社し、ソフト研修を受講した若手エンジニア3名に話を聞いてみました。

新人ソフト研修の詳細についてはこちら(前編後編)。

今回話を聞いたのは……

写真左:角野(すみの) 友裕
Cross Technology Center Piomatix情報サービス部
情報配信プラットフォームグループ

写真中央:古川 萌我
Cross Technology Center Piomatix情報サービス部 音声HMIグループ

写真右:加藤 英晃
Cross Technology Center Piomatix情報サービス部 音声HMIグループ

それぞれの業務内容と学生時代の専門分野

加藤:
今はAIに関わるチームに所属していて、新たなサービスを考えたり実際に作ったり、あとはGPSの位置推定の仕組み作りなども行っています。大学では情報系の学科に所属していたので、プログラミングについては一通り学んでおり、趣味でVRゲームや脱出ゲームを作った経験も。授業の中で、軽くAIに触れたこともありました。
 
古川:
僕は加藤くんと同じ部署ですが、検索システムに関わるチームにいます。大学院では物理学を専攻していたので、技術的なことは元々畑違いなのですが、今の業務では検索結果の良し悪しを数字で判断するにはどうすればよいかを考えています。

角野:
僕も大学院の専攻はITや情報系でなく、電子系の回路やハードウェアの設計研究がメインでした。ソフトウェアは会社に入ってから初めて知りましたね。現在は、カーナビからの情報を集めて状況把握を行う業務のほか、最近はスマホのiOSのコード作成を個人で行っています。

新人ソフト研修について

加藤:
新人ソフト研修は座学で行うのではなく、各々プログラムに沿った動画を観て理解し、学んでいくという形でした。その中で、ある程度学んだら“観るだけでなく作ってみよう”というような画面が出てきて、コードを操作する場面があったり。僕は大学で基礎を学んでいたので、懐かしい内容でしたが、忘れていたところもあったので学び直せてよかったです。
 
古川:
加藤くんは、どんどん先に進んでいたよね。個人作業がすごく早かった。僕はプログラミングに触れること自体が初めてだったので、新たに学ぶことばかりでした。
 
角野:
僕の場合、プログラミングは大学でもやっていたのでとっつきやすかったですが、ソフトウェア開発については知りませんでした。研修の内容に関しては、“これをやれば一通り理解して書けるようになる”という内容だったように思います。最低限の知識を身につけ、わからない部分を自分で調べられるようになる力を養ってくれているなと感じました。

研修中の様子

研修を受けて、印象に残っていること

加藤:
僕の中で一番印象に残っているのは、「アプリ作成」のレッスン。みんなで話し合いながらオセロゲームを作りました。簡単そうに思えるのですが、オセロがひっくり返る仕組みなど、プログラミング言語にして書いてみると案外難しくて。最初、プランを図に書いて見せ合ったけれど、「ここが違うよ」と角野くんに論破されちゃいました(笑)。
 
古川:
角野くんがみんなをいじめてた(笑)。
 
角野:
いじめてはないですけど(笑)。オセロの構造自体は難しくないのですが、「こういうものを作ってほしい」というふんわりした要望があって、それをどう作るか複数人で分析していくのは確かにおもしろかったです。同じゲームのことを話しているのに意見がぶつかって驚いたし、コード実装の段階でも、同じものを作るのにいろいろやり方があることを知って。コードを書く前の、分析や設計の段階こそ意見が食い違うものなんですよね。そんな実際の開発工程を、疑似体験できたのは興味深かったです。
 
古川:
確かにコミュニケーションがとても大事なんだなと実感しました。僕個人では、プログラミングの経験がなかったので、開発プロセスやUMLという図の書き方を学べたのが大きかったし、今の業務にも役立っています。プログラミングはキーボードでの作業が10割と思っていたけど、実際はどういうものを作るべきか、初めの段階に皆ですり合わせておくことがとても重要なんだと気づきました。オセロも、漠然とした課題の原因を細分化するのに時間がかかって、キーボードを叩くのは最後の最後だったのが印象に残っています。

加藤:
プログラミングに性格が出るのもおもしろかったです。僕はどんどんコードを書いて、まずは動かし、ダメならそこから改善点を考えるという手順をたどるのが好きなんですけど。角野くんは反対に、プログラムがうまく動作するのかどうかを確認するテストコードを書くことを重視していて。
 
角野:
そうですね。僕は開発におけるテストコードについて学んで、“その役割とはなんぞや”を考えるのがとても楽しかったです。オセロゲームを作成するときも、こまめにテストコードを書いて、逐一動作をレビューしていました。加藤くんはすごい速さでコードを書いて、プラス機能を付けるとかしているんですけど、僕は少しずつテストしながらコードを増やしていくスタイル。出来るまではすごく時間がかかるんですが、出来上がったら一度で問題無く動くので、その安心感が好きでしたね。来年の研修からは人のコードに対してテストコードを書き、うまく動作するか試し合うのもおもしろいかもね、と先輩と話しました。
 
古川:
テストコードって、自分の書いたコードのバグを見つける作業。自分の失敗が見えてくるので、あまりいい気持ちはしないんですけど。そんな僕の隣で角野くんだけ「やった、バグ見つけた!」と目を輝かせていて、怖かったです(笑)。テストコードを僕らの倍は書いていたよね。でも、すごくきれいに書いているのでとても参考になって。
 
加藤:
僕はテストの作業は好きではないんですよね。メインの流れからは外れてしまうので、それよりも早く“もの”を作りたいと思ってしまう。もちろん実際の製品開発で極端にその考えでいるのはよくないのですが、“動かしてみてダメだったらどこが悪いか考える”というやり方のほうが、基本的に性に合っていますね。
 
角野:
研修でわかったのですが、テスト好きの人はマイナーみたいで。先輩の中にもテスト好きという方はいないし、加藤くんや古川くんを含めテスト嫌いが多かったですね。「テストコードを書くのが好き」と言ったら、周囲に引かれました(笑)。

研修から学んだことと、今後なりたいエンジニア像とは

古川:
僕はプログラミングに関しては本当にゼロからのスタートで、この研修で学んだことはすべて今の業務に役立っています。そのおかげで自分たちのチームのやりとりについてより深く理解できたり、仕事を振ってもらえたりしました。周囲には本当にすごい先輩がたくさんいるので、今は純粋に早く追いつきたい。そしてもし将来、僕みたいに大学でプログラミングに触れてこなかった後輩が入社したときには、「古川さんは頼りになるから、古川さんがいる日に出社したい」と思ってもらえるように頑張りたいなと思います。
 
加藤:
元々プログラミングの知識は持っていたものの、一つのものを作りきることをゴールにするのではなく、“アップデート”が必要なんだと「オブジェクト指向」の授業で学んだことは大きかったです。他人からの見やすさや、書き換え・変更がしやすいこと、再利用しやすいことなどは、実際の開発現場で大切な要素なんだなと。今は業務でAIを扱っていて、外部の試験も受けさせてもらっているので、「AIなら加藤に聞けばわかる」と言われるくらいまでになれたらいいなと感じています。
 
角野:
僕も「オブジェクト指向」に関しては、大学でチラッとやったときに何のためのものなのかよくわからず、敬遠していました。でも今はエンジニアの視点から、とても便利なものなんだと重視するくらい考え方が変わりました。それから、プログラミングにおいてコミュニケーションがものすごく大事なんだと学びましたね。今の環境は先輩とも同期とも意思疎通を図りやすい環境なので、とてもありがたいと感じています。新人でも意見を言いやすいし、突拍子もない意見でも通してもらえたり。今は、チームで使っているクラウドのサーバーを直属の先輩がほぼ一人で作っているので、その人に集中してしまっている作業やシステムをできるだけ自分でも理解して、作業を分担できるようにしていきたいです。そして、その先輩みたいに、自分も何かのスペシャリストになりたいなと考えています。
 
古川:
テストコードの専門家にはすぐになれそう(笑)。
 
角野:
そう、テストコードも含めて(笑)。