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パイオニアの音を再定義。新設・サウンド技術開発部の実態

従来の“モノ”を売るビジネスモデルに、ソフトウェアなどの“コト”を掛け合わせ、ソリューション企業への変革を推進しているパイオニア
その中で社員は何を考え、どのように働いているのかインタビューしてみました。

今回話を聞いたのは……

技術開発本部 技術統括グループ サウンド技術開発部 部長
山形 健二

業務内容

──社内外から注目される、“音”をつくる部門の統括

2023年に新たに発足したサウンド技術開発部の長を務めています。この組織は、もともとパイオニアが強みとしていた“音”が昨今改めて注目されていることを理由に編成されたもの。会社が“モノ”דコト”で新しい価値を提供するソリューション企業になることをアナウンスしてから、音を扱う技術に関連する問い合わせが増えてきたんです。“それならば、専門性が高く、音に関わることならなんでも解決できる部署をつくろう”という話になり、今の体制に変わりました。
 
現在は、機能ごとに5つの部隊に分かれ業務に当たっています。サウンド機器のハードウェア部分を設計する電気開発チームや、ソフトウェアを扱うサウンドソフト開発チーム、音を聴く空間そのものをつくりあげる音場開発チームなどですね。パイオニアが誇るサウンド関連の技術を突きつめていきながら、いかに各チームがうまく連携し、世の中に受け入れられるものを創出していけるかに期待がかかっています。

これからの展望

──幅広い知識を持つ“オーガナイザー”の育成を目指して

今はチームが機能ごとに分かれているのですが、先ほども述べたように将来的にはこれを“音に関することならなんでも聞ける、答えられる”部署にしていきたいと考えているんです。いわば“サウンドオーガナイザー”といったような立場ですね。音にまつわる技術はハード面からソフト面までさまざまなものがありますが、それら全体を俯瞰して見ながら考えることのできる能力があってこそ、よい製品やサービスを効率的に生み出せるのではないかと。
 
私自身これまでのキャリアの中で、カーオーディオ・アンプ開発から車内のノイズコントロール技術の開発、自動車メーカー顧客対応業務、カーナビ・ディスプレイオーディオといったヘッドユニット開発……など、音にまつわるさまざまな業務を担当してきました。サウンドに関連するという点で共通しているとはいっても、それぞれの技術は専門性が高く、あまりにも毛色が異なるため、すべてを深く完璧に網羅することは容易ではありません。それでも、「自分の専門ではないから」とシャットダウンしてしまうのではなく、いろいろなことに興味を持って知っておこうとする姿勢を持ちたいですね。それこそが、“オーガナイザー”としての力を育むと思います。ほかのチームがどのように問題を解決しているのかを見ていれば、自分が直接担当、経験していなくても、ある程度の知識として糧になりますから。そういった広い視野で物事を考えられる人材を、これから各チームに数人ずつ育てていきたいと考えているんです

今、取り組んでいる課題

──開発チームが目指す“パイオニアの音”って?

職人的なアプローチで専門性の高い知識を操るエンジニアと、幅広い分野をカバーしながら立ち回れる“オーガナイザー”。将来的にはこれらのメンバーをうまく織り交ぜ、パイオニアの音に関する知識と提案力をさらに強化していきたいですね。

そうして求める“パイオニアの音”とは、どんなもの? という質問をいただくこともあります。例えば「低域が強い」とか「高音がキラキラした感じ」など、得意不得意があるメーカーも多いので。そういう観点からいくと、「“パイオニアの音”はこう」という性質は、実は明確にはないんです。「余計な足し引きをせず、アーティストの想いをすべて届ける」「アーティストがレコーディングする場所で聞こえる音を再現する」……つまりよい意味で、“色がないのが色”だといえるかもしれませんね。
音の善し悪しの評価は、聴き手の好みや感性によって大きく左右されるもの。だからこそ顧客の希望をしっかり汲み取り、期待のちょっと先を行く音を提供するというのが、私たちの目指すところです。それを実現するためには、トップレベルの技術力が必要になるというわけなんですね。

どんな人が向いている?

・オープンマインドでやる気のある人
・音に関するスペシャリストになりたい人
・知識そのものに対する欲を持っている人

ユーザーが最終的に求めるのは、電気設計やサウンドソフトといった個々の能力ではなく、それらがすべて作用した結果として出る“音”。その価値を軸に、会社として何をすべきか考えつつ開発と提案をしていける、能動的な組織にしていきたいと考えています。高い技術、深い知識はすでに社内にノウハウがあり、やる気になればどこまででも追求できる。今求められているのは、それらすべてに興味を持って自発的に取り組める人ですね。聞かれたことへすぐには答えられなくても、問題解決に向けて調べものやほかのメンバーへのリサーチを行うことができ、「この人に聞けば、すぐには無理でも必ずなんとかしてくれる」と思わせてくれるようなエンジニア像を理想とする人と、ご一緒したいなと考えています。

パイオニアでは一緒に働く仲間を募集しています。
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