週間ログイン率導入前比156%!活用され続けるダッシュボードとは?
いつもパイオニア公式noteをご覧いただきありがとうございます。今日は当社データエンジニアに活用され続けるダッシュボードの構築・運用について話を聞きました!
インタビュアー:
まずは自己紹介をお願いします。
八杉:
SaaS Technology Center データインテリジェンス部でデータエンジニアをやっています八杉です。2022年4月にパイオニアに入社して約半年が経過しました。経歴などはこちらに記載しているので良かったら読んでみてください。
データエンジニアのお仕事
インタビュアー:
ありがとうございます。パイオニアのデータエンジニアのお仕事はいかがですか。
八杉:
とてもやりがいを感じています。
データマート構築やデータ連携の自動化、分析環境の整備を行うエンジニア業務と事業部の各会議に参加してサービスの方向性や課題を把握し、課題解決に向けたダッシュボードの要件定義〜構築・運用を行っています。
直近では、Vehicle Assistのカスタマーサクセスチーム(以下、CS)が活用するダッシュボード構築への取り組みを行いました。
Vehicle Assist(ビークルアシスト)とは
クラウド型の運行管理サービスで、通信ドライブレコーダーやカーナビなどを活用し、社有車の事故削減や管理業務・運行業務の効率化をサポートするテレマティクスサービスです。現在、1,000社を超える企業にご活用頂いています。
2022年9月28日からは、オプション機能としてアルコールチェック管理の「スリーゼロ for ビークルアシスト」が提供開始される予定です。
インタビュアー:
アルコールチェックのサービスが始まるのですね。今回一緒にダッシュボードを構築したCSチームはどのようなことをされているのですか。
八杉:
はい。契約いただいた企業の課題解決や目的達成のため、オンボーディング〜定着・運用・リテンション、それぞれの活用ステージに合わせて継続的にサポートを行っているチームです。
これまで、お客様ごとに運行管理サービスの活用状況や契約状況を可視化し業務に活用している状態でしたが、ステージに応じた活用状況の全体像が見えず、業務の優先順位が付けられないといった課題がありました。
インタビュアー:
サポートを必要としているお客様の全体数はCSとして知りたい情報ですね。課題解決のためにどのような取り組みを行ったのでしょうか。
八杉:
CSと徹底的に本質的な課題を抽出し、探索型のダッシュボードを構築しました。課題を解決していくためには構築後、活用され続けることが重要と考えています。
活用され続けるダッシュボード:構築の3つのポイント
インタビュアー:
ダッシュボードが継続的に活用され続けるって難しいことですよね。活用され続けるための工夫やポイントがあれば教えてください。
八杉:
これまでの経験から、実践しているポイントが3つあります。
例えば、事業部から「〇〇の情報を見れるようにしたい」といった相談が来ることがありますが、本質的な課題を確認しないまま構築してしまうと、大きく作り直しが必要になったり、次のアクションに結びつかず、結局使われなくなる懸念があります。
KPIや解決したい課題は何かなど、1つ目のポイント、”本当に”やりたいことを明確にしたうえでダッシュボードのイメージを作るようにしています。さらに、誰が、いつ、どんなアクションをとる必要があるのか、判断基準は何かを確認しています。
使う人が担当者なのか、マネジメント層なのかで把握したい情報の粒度やビジネス視点が変わってきますし、いつ使うかはデータの更新頻度に影響します。ビジネスをしっかり理解した上で作るために、業務フローやドメイン知識の理解が重要であり前提であると考えています。
インタビュアー:
ダッシュボードを使う際の5W1Hをより具体化して理解しているということですね。
八杉:
はい、例えばオンボーディング業務では
といった5W1Hを明らかにすることで、ダッシュボードにCRMツールへのリンクを設けてCS活動の生産性を上げる提案ができました。
インタビュアー:
なるほど、具体化することにより事業部ではイメージできていなかったダッシュボードの使い方を提案できた事例ですね。
3つ目の超シンプル化というのは具体的にどういうことでしょうか?
八杉:
はい、一瞬でアクションの要否が判断でき、アクションが必要な場合のみドリルダウンして詳細情報を把握するような使い方を目指してダッシュボードのイメージを作りました。
ダッシュボードが出来上がってきて実際の数値を見ることができるようになると、「あの数値はどうなんだろう?」と他の数値が気になり、複数の追加要望が上がってくることがあります。積極的に意見が出るのは良いことですが、情報量が多くなることで重要な数値を見逃してしまったり、ノイズがちょっとしたストレスとなりダッシュボードが使われなくなるリスクもあると考えています。
必要な情報を精査するため、業務フローと各プロセスで判断に必要な情報を図示することで認識合わせを行い、不要な情報は載せない、他のプロセスで必要な場合は別のダッシュボードに切り出す、などの整理を行いました。また、認識合わせの前にはあえて、1.で明確にした目的を再確認してみることで、期待値調整や前提条件を揃えることも意識しました。
活用され続けるダッシュボード:運用の3つのポイント
インタビュアー:
構築前のポイント、よく分かりました。八杉さんは運用まで担当されているそうですが、構築後はいかがですか?
八杉:
構築後は以下3つのポイントを意識しています。
まず、ログイン状況やダッシュボードへのアクセスをモニタリングするようにしています。ログイン率が低い場合、ユーザー、ダッシュボードの内容のどちらか、または両方に問題があると考えています。
ユーザーに起因する場合、データを使って業務を進める習慣がないことが原因として挙げられるため、対策として習慣付けのための仕組み作りが必要です。
各会議での進捗報告や意思決定にそのまま使ってもらうことも1つの例ですし、日々の業務でお客様のコンディションに応じたアクションの意思決定やPDCAを回す際の業務フローに判断基準として組み込むことが必要と考えています。
ダッシュボードが習慣化の妨げになっている場合は、内容をリフレッシュしていくことも必要です。CSとは今後もコミュニケーションを継続し、ダッシュボードを更新していく予定です。
インタビュアー:
ちなみに、今回構築したことによる成果はありましたか。
八杉:
オンボーディングの業務では、CSのデータ活用意識も高まり、1週間以内に1回以上BIツールへログインしているユーザーの割合が50%→78%にUPしました!
インタビュアー:
データを見て業務をする習慣やカルチャーが出来てきているということですね。
八杉:
はい。ダッシュボードをCS業務に活用いただくことで、業務効率やVehicle Assistを活用頂いているお客様の満足度が上がっていくことを期待しています。
事業部内では今回の事例のようなデータ活用が進んでおり、さらなる活性化を目指して全社向けの「データ活用事例発表会」を企画中です。社内業務の課題解決へのキッカケになることを期待しています。
インタビュアー:
データを活用するカルチャーを醸成していくこともパイオニアのデータエンジニアのお仕事の一つなんですね。
八杉:
はい、そうなんです。データエンジニアがビジネスインパクトやカルチャーの醸成を考え取り組んでいることに面白さと難しさがあり、日々チャレンジしていける環境だと感じています。
インタビュアー:
一緒にチャレンジしてくれる仲間が増えていってほしいですね。本日はお話しいただきありがとうございました。
八杉:
ありがとうございました!
最後に
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