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元記者/外交官/コンサル!?の渡邉さんにNP事業本部について聞いてみた

パイオニアは、モビリティ領域におけるさまざまな課題を"モノ × コト"で解決するソリューションサービス企業への変革を推進しています。今回は、その変革において、新たなビジネスモデルの企画、開発を推進する役割を担う「NP事業本部」の初投稿です。NPとはなんなのかについてご紹介します。

はじめに

最初に、渡邉さんがパイオニアに参画されるまでの経歴を教えてください。また、パイオニアに参画した<きっかけ>を教えてください。
 
経営戦略本部 CSO室長 兼 NP事業本部 プロジェクト推進グループ統括部長の渡邉です。

私の経歴は、新聞記者→役人→コンサル→メーカー(イマココ)と、割とフラフラした人生を生きてきました(笑)
学生時代にアフリカ大陸を縦断しながらその魅力にはまり、”日本を知り、アフリカで仕事して、また日本に活かす“という、極めてざっくりしたキャリア観を20歳の頃に持ちました。まず日本、特にモノづくりの現場を知りたいと日本経済新聞社に入り、その後外交官として西アフリカの大使館に赴任し、マッキンゼーで組織変革の経験を積んだ後、パイオニアに2020年9月にジョインしました。

パイオニア参画の理由は、“モッタイナイ日本企業の象徴”と思ったからです。特に外務省時代に外から日本を見て、日本の最大の伸びしろの一つは、伝統的な大企業を元気にすることにあると感じ、組織変革の知見をマッキンゼーで積みつつ、“いつかは事業会社側で”とアンテナを張っていました。自分なりの基準は“モッタイナイ度”、言い方をかえれば、“技術とかヒトはいるけど、経営に伸びしろがある”企業で、社長の矢原さんのリーダーシップのもと再生・変革に乗り出す名門企業パイオニアは、まさに伸びしろの塊と感じました。

部門設立の背景

NP事業本部設立の背景やサービスやプロダクトの構想が始まったきっかけを教えてください。
 
NP事業本部は、2020年12月に設立されました。その1年半ほど前から、過去に数多くの世界初・業界初の製品を世に出してきたパイオニアの次世代の成長の柱を求めて発足した、社内横断のイノベーション創出プロジェクトが母体です。PJリーダーであった常務の坂本さんを本部長として、Next Product, Next Platform, Next Pioneerの想いを込めて設立しました。

パイオニアは、ホームオーディオやDJ機器のブランドとしてもグローバルで有名でしたが、クルマの世界でも、日本のみならず、欧米やアジアなど多くのアフターマーケットでトップシェアを持つコンシューマーブランドです。ただ、カーメーカーや量販店などへのB2B2Cのモノ(ハード)の売切りビジネス主体で、せっかく沢山持っているユーザーのブランドへのロイヤリティや移動データを十分生かしきれていませんでした。
 
クルマの世界は自動運転をはじめ、技術革新が猛スピードで進行していて、異業種からの参入も相次いでいます。ただ、移動体験というコトの世界では、デファクトを握った勝者はおらず、多くの可能性があります。パイオニアの持つ技術開発力やデータ、デザイン力、販売チャネルなどを総動員し、“モノ×コト”の力で、未来の車室内空間を作る先駆者になりたいという想いから、「NP1」の基本コンセプトが生まれ、今日に至ります。

事業内容

サービス・プロダクトについて教えてください。

会話するドライビングパートナー「NP1」は、新開発のモビリティAIプラットフォーム「Piomatix」を搭載した世界初の”AI搭載通信型オールインワン車載器”です。運転時のあらゆる情報を把握・分析し、音声を通じて、的確なタイミングでドライバーに最適な情報をお届けします。主な機能は、①いざという時も録り逃がしがない”次世代通信型ドライブレコーダー ②”音声だけの操作・案内で運転に集中できる“スマート音声ナビ” ③”クルマWi-Fi” ④地図も新機能もどんどんアップデートされる”もっとカーライフ++”の4つで、これらがオールインワンとなった車載器です。「NP1」は進化と成長を繰り返しながら、ユーザーの皆さまに新しいカーライフ体験を提供していきます。おかげさまで今年のカー用品大賞グランプリを含め数多くの受賞をするなど、メディアや専門家、流通の皆様からも高い評価をいただいています。
※世界初:ドライビングパーソナル音声AIを搭載したコネクテッドデバイスとして、ESP総研調べ(2022年3~4月実施のカーエレクトロニクス製品に関する市場調査)

世界初のAI搭載通信型オールインワン車載器「NP1」

魅力・面白み

NP事業本部ならではの魅力や渡邉さんがどんなところに面白みを感じているか教えてください。
 
NP事業本部の魅力は、日本発のグローバルなゼロイチ事業を、全社のフルサポートのもと推進できることです。パイオニアが、"モノ×コト"企業へ変革するにあたっては、既存事業の強化やB2B事業の進化も当然重要ですが、NP事業は先兵隊としてまずB2Cの世界で、"モノ×コト"の事業モデルを確立する重要な役割を担っています。このため、外部からも、マーケティングやデジマ、リサーチなど、外資や日系企業で活躍されてきた人材が集まり、内部からも、変革をリードしたいという公募のメンバー含め優秀な人材が集結しています。この動きは、社長の矢原さんをはじめ全面バックアップしてくれています。
 
例えば「NP1」でいえば、ゼロイチ、つまり、ナビでもドラレコでもない、”会話するドライビングパートナー”という、いわば「既存の商品棚のない」新しいカテゴリークリエーションの試みなので、チャレンジは山積です。ただ、そこがまさに面白くやりがいのあるところですね。今後、日本発で、さらに欧米やアジアなどに四輪や二輪のプロダクトサービスを次々とローンチし、世界の移動体験の進化・向上に貢献していきます。
 
これは職業人生でもめったに巡り合えないスケールの大きなチャンスで、特に、チャレンジスピリットの豊富な方には、とてもワクワクする、キャリア上もとても有益な経験になると思います。私が入ってからも、元々高いポテンシャルを持っていた生え抜きのメンバーもどんどん成長していると実感します。

課題

現状課題に思っていることはありますか?
 
課題というかチャレンジだらけです(笑) 上述のように、新しいカテゴリーを創るので、誰に対して、何の価値をどう届けるかという、WHO×WHAT×HOWについても仮説と検証のサイクルを、トライアンドエラーで急ピッチに繰り返しています。また、自動車の世界では、携帯電話やネットTVなどと比べて、まだ、継続課金でサービスを使うというユーザーの意識もこれからという状況で、まさに人々の意識や行動習慣の変化をもたらす試みともいえます。パイオニアとしては、ユーザーに、継続してお金を払うのが当たり前と思える価値を実感していただき、使い続けて一緒に育て、進化させていくというチャレンジングな試みを成功させ、移動体験のアップデートに貢献したいと思います。

描いているビジョン

今後の展望を教えてください。
 
NP事業は絶賛成長中というか、まだ成長の端緒についたところです。初号機として、「NP1」を国内で今年3月に発売しましたが、来年以降、欧米やアジアで、四輪や二輪向けのプロダクトを上市していく予定で、国内外で体制を強化中です。

完全自動運転社会が到来するまで、まだかなり時間を要します。一方、車室内の情報増加と複雑さは、安心・安全、快適といった観点で考えると、ドライバーの手や目、脳への負担が飛躍的に増しており、この課題解決は待ったなしです。私たちはそこにまさに貢献したいと考えています。そして、単なるサービスの集合体でなくて、あらゆるパートナー企業と共に新しいサービス連携を果たしていくことで、「未来の移動体験を創ります」という企業ビジョンを実現していきます。

メンバー

NP事業本部にはどんなメンバーがいますか?
 
NP事業本部は、生え抜き×中途入社組がワンチームで仕事に取り組む未来のパイオニアの象徴のような組織です。私以外にも、P&G、KDDI、ライオン、クロックス、リクルート、寺田倉庫など、外資や内資の多様な業種の第一線で活躍していたメンバーが多くいます。その意味では、大企業の中でもスタートアップのような、フラットでオープンなカルチャーが特徴と言えます。唯一の正解のない新事業を立ち上げるにあたって、ユーザーへ最高の体験・価値を届けるには、このカルチャーはとても重要です。ただ、これはNP事業本部に限らず、パイオニアが元々長年育んできたカルチャー・気質がそうだったからで、だからこそ数々の世界初・イノベーションを生めたのかなと思っています。自分も入社時に予想を超えて大歓迎いただきましたし、社長も“矢原さん”、自分も”謙太さん“と呼ばれるなど、皆さんとフラットに侃々諤々議論しながら仕事を進めています。

最後に

読者の皆様へメッセージをお願いします。

一言で言えば、NP事業の仕事はワクワクします。車が好き、音楽が好き、新しいことが好き、入り口は何でも良いと思います、グローバルな日本メーカーの変革・チャレンジをリードしたいと思う、良い意味で“ヤマっ気のある”皆さんの参画をお待ちしています!!