職種転換したエンジニアが感じていること
当記事では、ハード/電気からソフト開発技術を学びなおしたエンジニア2名に、何故専門技術を変えようと思ったのか、実際にやってみてどうだったのかについて聞いてみました。
電気エンジニアからソフトエンジニアへ
自己紹介
はじめまして。技術開発本部技術統括グループプラットフォーム開発部3課所属の長谷川です。現在7年目で、入社から6年目まではカーナビゲーションの電気設計に従事していました。その中でもメモリやCPUといった集積部品を中心とした回路設計・電源設計を担当していました。
昨年度、ソフト開発業務に携わりたいという希望が通り、組み込みソフトウェアを開発する今の部署に職種転換しました。
職種転換を決めた理由
職種転換を志した理由、それは製品をより深く知りたいと思ったからです。
電気設計時代、製品を開発するうえでいろんな部門の方と仕事をしてきました。製品の筐体(※)や筐体内部の配置・構成を考える機構部門、部品の納入・管理を行う調達部門、そして製品機能を実現するためのソフトウェアを開発するソフト部門など、様々な部門と関わってきました。その中でも特にソフト部門は電気設計部門との関わりも深く、製品開発時も一番付き合いが長い部門でもありました。そんな中、ソフト部門に依頼した内容が実際に製品上で動いているのを見て、どうやって実現しているのか興味がわいてくるようになりました。さらに自分が開発している製品なのに電気設計側のことしか知らないのはもったいないのではと思うようになり、ソフト部門への職種転換を志すようになりました。ちょうどその頃、Piomatix開発に向けたソフト部門のリソース強化に伴う募集があり、「今しかない!」と考え希望を出しました。
※製品全体の外箱のこと
学びなおしで取り組んだこと
勢いで異動したのはいいものの、さすがに知識0で始めるのも不安だな…と思っていたところ、ちょうど新入社員研修が行われるので、そこに加えてもらえることになりました。研修自体はクラウド開発者を対象に行っていたため、ソースコードはPythonを取り扱い、後半にはAWSの体験等を行いました。自分は組み込み開発部署にいたので、その時の知識がそのまま生きたかというとそうではありませんが、ソースコードのテスト方法やリファクタリングの重要性、グループで開発する際の認識のすり合わせ方等は今でも非常に役立っています。また、実業務に直結した知識も身に付けておきたいと思ったため、C言語の学習を行いました。技術書を1冊と問題集を1冊使い、技術書で体系的に学んで、問題集で実際にコードを書き腹落ちさせるという勉強を行っていました。それに加え、ソフトウェア系全般の知識を学ぶ目的で基本情報技術者試験の勉強も行っていました。
職種転換をして感じていること
そんなこんなでソフト部門で1年開発を行ってきました。ハード部門からでは見えなかったソフト側の開発状況や背景を見ることができ、視野が広がったことでより製品開発の面白さ奥深さを体感しました。
一方で信頼性や汎用性、納期、コストといった製品に求められるものは大体同じで、ハードもソフトも本質は同じだということも学ぶことができました。
ハードエンジニアからソフトエンジニアへ
自己紹介
皆さん、はじめまして。2013年に新卒入社し、今期11年目になる古川です。入社以降、ハードウェア開発環境チームでCAD・CAEなどのソリューション管理、設計データ管理システムの運用、開発といった業務に従事していましたが、昨年7月に職種転換し、現在はソフト開発部門のSRE(※)チームに所属しています。
※SRE:Site Reliability Engineering
職種転換を決めた理由
前の業務はやりがいも思い入れもある業務でしたが、ハード開発に終始するなかで、「もっと開発プロセスの全体像を知りたい」と感じたのが一番のきっかけですね。希望の異動先としては企画部門などの選択肢もありましたが、サービスや製品を具現化する“技術”について学びたく、1on1でソフト開発部門への異動を希望しました。前の部門での、部門を問わず多くの方と関わる業務にやりがいを感じていたので、異動の際も開発者と広く関わることができる職種を希望し、現在のSREチームの配属となりました。また、プライベートで通っている経営大学院での経験も大きな後押しになりました。多業界・多業種から集まった様々な目標にチャレンジしているクラスメイトから刺激を受け、自身も環境を変えてチャレンジしたいという気持ちになりました。
学びなおしで取り組んだこと
職種転換の場合、大抵の人が分からない言葉が飛び交う状況に放り込まれることを経験するのかなと思います。そのような状況に対して、自分は分からない言葉はとにかく調べるということを実践しました。最初のうちは調べるとさらに分からない言葉が出てきてしまいますが(笑)、負けじと調べているうちに言葉同士がつながってきて、周りともなんとなく共通言語で話せるようになってくる感覚がありました。資格試験など定量的に結果が見えるものをモチベーションにして、知識の下地作りをするのもよいかと思います(自分も目下取り組み中)。
職種転換をしてみて感じたこと
大学から専攻してきた分野を離れ、これまであまり馴染みのなかった業種に移るということでそれなりに不安がありました。しかし社内のソフト開発研修がよくできており、単にプログラミングのスキルを学習するのみでなく、開発プロセスの全体像やパイオニアで開発にあたるうえで押さえておきたい内容などを学ぶことができ、研修が進むにつれて不安は小さくなりました。異動後のチームでも丁寧にフォローしてもらいながら業務を立ち上げることができ、知らない人間を温かく迎え入れてくれる点はパイオニアの良い社風だなと改めて感じました。また、どの部門にいても変わらないなと思った部分もあります。「この仕事って会社に貢献しているだろうか」と事業目線で考えてみると仕事の面白みが増すことや、問題で行き詰ってしまった時に「なぜできないんだろう」と分解して考えてみる問題解決のアプローチなど.. 働く環境を変えたからこそ、普遍的に大切になる部分もより顕著に感じることができました。まだまだ駆け出しの身ではありますが、会社への貢献、自身の成長を加速できるよう努めていきたいと思います!