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音を伝えて分かち合う。貴重な技術を受け継ぐ語り部

従来の“モノ”を売るビジネスモデルに、ソフトウェアなどの“コト”を掛け合わせ、ソリューション企業への変革を推進しているパイオニア。
その中で社員は何を考え、どのように働いているのかインタビューしてみました。

今回話を聞いたのは……

技術開発本部サウンド技術部サウンド技術戦略課
サウンドデザイナー
磯崎賢太
1999年新卒入社

業務内容

──サウンドデザイン/パイオニア製品を“効果音”で支える仕事

私が担当しているのは、パイオニア製品が発する効果音をつくる、サウンドデザインに関する業務です。音をつくったり、録音して使ったり。今はパソコンで音楽制作をするときによく用いられる「DAWソフト」と呼ばれるものを駆使して、音を制作しています。

もともと入社時から“音に関する仕事がしたい”とは考えていましたが、当初はプラズマテレビの設計チームに配属されました。その後6年ほどを経て、車の内部の音をチューニングするオーディオ開発課に異動し、そこで8年ほど車の音のチューニングやDSPプログラムの開発をしていました。その後設計部に異動し3年ほどアンプの電気設計を担っていたところ、「新しいものを考えているので加わってほしい」と先行開発部に呼ばれ、振動に関する技術の開発を行いました。そこで私が師匠と仰ぐ 、パイオニアのサウンドデザインを一手に担っている先輩に出会い、その後その仕事を引き継ぐ形で、この業務に携わるようになりました

それまでも“エンジニア”という職種ではありましたが、DAWソフトを使って音を制作するのは初めてでした。マニュアルがない領域も多く、インターネットで検索したり、とにかく使ってみたり……という作業を積み重ねて自学してきたんですよ。「習うより慣れろ、自分のやり方を見つけろ」というのがその先輩の方針でしたので、仕事のやり方を横で見ながら作業をしていました。

入社の経緯

──学生の頃から憧れた、斬新なものづくりにかける姿勢

学生の頃から音楽を聴くのが好きだったのですが、当時のパイオニアのCDプレーヤーがとても革新的で。ディスクを逆さまに、つまり記録面を上にしてターンテーブルに載せる仕様だったんですよ。そうすることでディスクの回転を安定させて信号をより正確に読み出すことができました。いち消費者として、ほかのメーカーでは採用されていない独自性のあるアプローチに感動。“将来、そういう仕事ができたらいいな”と考えるようになりました。
 
音に興味を持ったきっかけは、中学生時代に父にラジカセを買ってもらったこと。いろんな部品を替えると音も変わる、ということに気づいてからは、アルバイトをしてスピーカーやアンプを集めるようになりました。お店の人から「ケーブルを取り替えると音も変わるよ」と教えてもらい、当時の金額で1m30,000円ほどもする高価なケーブルに興味を抱いたこともありましたね。ただ、パイオニアに入って“音を再生する製品を作ったり、その音を調整したりするだろう”とは思っていたけれど、こんなふうに音を録ったりつくったりする仕事を担うことになるとは予想していませんでした。

この仕事のやりがい

──答えがないからこそ、感性で繋がれる

私がつくっているのは、製品の“音”、つまりお客さんにそのままの形で届く部分です。直接聞いて反応してもらえるものをつくれるというところは、興味深いなと思います。「いい音だよね」とか「この効果音いいね」と言われると、やっぱりうれしいですね。製品の企画担当から「こういう音をつくってほしい」と注文をもらうわけですが、製品コンセプトやその音が鳴るシチュエーションをしっかり聞いて、“この状況のときにはどんな音が聴きたいか”を想像しながらつくっています。心がけているのは、警告音だったとしても“不快な音”にはしないこと。耳障りでなく、またどんな機器を使っても安定して出せる音であることを念頭に置いています。
 
それから、意識しているのは楽しんでやるようにすること。大きな困難に直面した時には途方に暮れることも……(笑)。しかし「困ったことがあっても、それはそれで楽しんでやろう」という姿勢を、自分の中で心がけるようにしています。その気持ちは仕事をうまくやっていくうえで必要だなと思うんです。

これからの展望

──さまざまな音の可能性を拡げ、活用したい

世界中は難しくても日本の中くらいはすみずみまで旅をして、とことん音を録ってみたいですね。いろんなところへ行って、いろんな音を聴いてみたいです。音を使ったビジネスや活動の可能性は、無限に拡がっていると思うんですよ。例えば高層マンションの上のほうの階に住む人が、窓を開けられない環境にあっても、室内で自然の音を流すことでもっと居心地よくなれるかもしれないとか……。

どんな人が向いている?

どんな仕事にも必要な要素だと思いますが、特にサウンドデザインという仕事においてはまずやってみることが大事。
サウンドデザインの依頼をもらっても、その答えは一つでなく無数にあります。たくさんの答えを出してもいいし、ものすごく突き詰めた一つの答えを出してもいいのですが、まずは音を出してみないと始まりません。
 
だからこそやる気があって、どんなに辛くても楽しんで仕事ができることが、いちばんだと思います。

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