パイオニアの「アプリ開発内製化」への道(その1) シフトレフト戦略×自動化基盤構築
こんにちは!パイオニアの SaaS Technology Center(STC) モバイル開発部の菅野です。
私は2019年4月にパイオニアに新卒で入社し、今年で3年目…。(早いなぁ) モバイルアプリ開発の業務についてからは約1年半。
日々の業務に追われながらもなんとか今までやってこられています。
今回は、私が所属しているモバイル開発部 開発チームで検討している、アプリ開発の内製化戦略について紹介しようと思います!
私が携わっているアプリ開発の課題
開発規模が拡大していく中で、開発のスピードアップに対応できるリソースが足りていない
内製開発ではないため、技術的なコントロールが出来ていない
手動オペレーションが多々残っていて工数増加に対して人を増やさないと対応が難しい
パイオニアが掲げている「モノ×コト」への変革に伴い、モビリティ領域におけるソリューション開発として、モバイルアプリ開発の重要性が高まってきており、DX(※1)推進の観点からも、進化し続けるテクノロジーやそれに伴う人々の生活の変化に合わせて、ユーザーニーズにマッチした商品やサービスをいち早くリリースしてブラッシュアップしていくような開発が求められています。
※1•••Digital Transformation
ただ、開発規模が大きくなっていくこと、開発スピードが上がっていく中でもサービスの品質は保証しなければなりません。
私の開発チームの現状としては、開発規模の拡大やスピードアップに対応しきれておりません。
開発規模が拡大することで、評価工数がどんどん増えていき、そのために評価用のリソースを増やし続けるしかない現状となってしまっていること、
開発スピードが上がることで、短いスパンでのリリースやそれに伴う配信作業を行うため、工数が増加し続けてしまっており、品質問題の改善や新たな取り組みを行うことが難しくなってしまっています。
課題解決へのアプローチ
リソースが不足している中で、開発スピードアップ、技術スキルの向上を目指し、モバイル開発部は、「シフトレフト戦略による開発内製化」を目指しています。
私たちが担っている上記のプロセスや技術サポート業務を、 エンジニアリング(自動化)による改善によって、オペレーションの負荷低減につなげ、 より左(上流)の工程へシフトしていくことで、実装工程に食い込み、徐々に内製開発へ移行していき、開発のスピードアップや技術力の獲得を実現します。
最終的には、現在のウォーターフォール型開発からアジャイル開発への移行に向けて動いています。
現在の取り組み
最初の取り組みとして、CI/CD(※2)の導入による検証版配信作業の自動化を検討しております。
※2•••Continuous Integration/Continuous Delivery(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)
検証版の配信作業は全て手動で行っており、1回のリリース(※委託先からの納品)における、ビルド、再署名 → 配信 までの作業はiOS、Androidで合わせて約1時間程。
開発プロセスの中では、市場公開までに約10回ほどのリリースがあり、その他にも、機能の簡易確認版のリリースがあるなど、配信作業の工数はちりつもで大きくなってしまっています。
バージョン管理をGitHubへ移行
検証版配信の自動化に取り組むにあたって、まず外部委託開発のアプリのバージョン管理ツールとその運用方法を変更しました。
従来のバージョン管理は、SVN(※3)で行っており(詳細は割愛します。。。)、以下の課題がありました。
納品物管理として利用され、バージョン管理ツールとして運用されていないため、共同開発ができない。
CI/CDツールとの連携が△
そこで、管理そのものをSVNからGitHubへ移行し、自動化環境構築のためのベースづくりを行いました。
※3•••Subversion
現状の取り組みとしてはバージョン管理システムの変更のみとなっており「自動化」についてはこれから着手予定となっています。
まずは、内製化、アジャイル開発への移行に向けた戦略という位置づけで読んでいただけると幸いです。
ちなみに、、、現在検討している自動化環境の構想は下図となっており、絶賛検証中です!
シフトレフト戦略による開発内製化を進めていくにあたって
モバイル開発部では、以下の段取りで進めてきました。
・内製化戦略の打ち立て
・社内のプロジェクト関係者への説明
・開発委託先へ、モバイル開発部の取り組みの説明
・GitHubへの移行スケジュールの調整
・GitHub移行検証
・GitHub移行
開発も並行で走っているなかでのツール移行なので、なかなかGitHubへの移行を行えなかったりと色々問題はありましたが、十分な調査を行うことで、社内手続きもスムーズに進められ、無事に移行作業を実施することができました。
ちなみに
モバイル開発部で掲げているシフトレフト戦略ですが、 元々はQA(※4)界隈で提唱されている、開発ライフサイクルの早い段階でテスト活動を行う「シフトレフトテスト」を流用することで、内製化、アジャイル開発への移行の実現を目指しています。
※4•••Quality Assurance
今回はバージョン管理システムの移行までとなりましたが、
これまで長い間固定化されていた運用方法を変更できたことで、内製化へ大きな1歩を踏み出すことが出来たのかなと思います。
次回の記事では、自動化環境を構築した話を予定しておりますのでお待ちいただければと思います!!!
↓その2が公開されました!
おわりに
私自身新卒3年目ですが、パイオニアの変革に向けて、大きく貢献できることはこれとない機会ですし、自分自身の成長にも繋がるため、とてもやりがいを感じております。
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