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データサイエンティストが伝える!ナビ技術を支える仕事の実態

従来の“モノ”を売るビジネスモデルに、ソフトウェアなどの“コト”を掛け合わせ、ソリューション企業への変革を推進しているパイオニア。
その中で社員は何を考え、どのように働いているのかインタビューしてみました。

今回話を聞いたのは……

Cross Technology Center 開発本部 ナビサービス開発部 
ナビサービス開発1グループナビゲーション開発部 ナビコアグループ
谷本 晋一
2023年2月入社

自己紹介

Cross Technology Center 開発本部 ナビサービス開発 ナビサービス開発1グループに所属している谷本晋一と申します。
現在所属する部門では、ナビ技術のコア要素の一つ、「ルート探索API」まわりの機能開発および性能改善の業務を行っています。現在、サーバサイドのロジック開発をメインにやっていますが、本業は機械学習やアルゴリズム・データ分析を駆使して問題を解決するデータサイエンティストだったりします。

プライベートでは、競技プログラミングのコンテストやデータ分析コンペなどに参加して楽しんでいます。競技プログラミングは主にAtCoder社が開催している AtCoder Beginner ContestやAtCoder Regular Contest,、AtCoder Heuristics Contestに参加しています。たまにCodingGameやKaggleのサンタコンペなどにも参加します。かれこれ2年ぐらい競技プログラミングやっていますが、努力が実って今現在はAtCoder におけるランクはAランクまで上り詰めました。

これまでの経験

大学・大学院では数学科に所属し、数学を勉強・研究していました。専攻は作用素環論と呼ばれる数学の分野の一つについて研究していました。数学科の世界では主に紙や黒板を使った議論が一般的だったので、プログラミングやITを使った研究というのは一切やってこなかったです。
 
就職するにあたり、数学力を活用できるところに入りたいと思い、新卒で入る会社として「数理科学とコンピュータサイエンスを掛け合わせた事業」をやっている会社を選びました。そこでデータマイニング(当時はデータサイエンスっていう言葉はメジャーではなかった)の受託業務を中心に行っていました。
 
そこから何度かの転職を経る中で、ソフトウェア開発力・プロジェクトマネジメント力を身につけてきました(パイオニアは5社目です)。特に、3社目で培ってきたGISスキル、4社目で経験した「ルート探索ロジック改善と評価業務」や「タクシー車両の到着予想時間の精度改善」に関する業務経験は、パイオニアに入社してからプラスに作用しています。

Why Pioneer?

パイオニアに入社した理由は2つです。

(1)ナビゲーション技術を軸の一つして事業展開していたこと

4社目の時に「ルート探索ロジック改善と評価業務」や「タクシー車両の到着予想時間の精度改善」といった地図に関する業務に携わっていました。地図に関わる技術自体をもっと磨きたい、そしてこれらの技術を使って事業貢献したい、という思いで転職活動をしていました。
パイオニアは、ナビゲーション技術が大きな事業の軸として確立しており、ルート探索一つとっても磨き込みにしっかり時間をかける、地図の品質に対してもこだわりがあると感じたため、入社意欲が高まりました。

(2) 組織や文化づくりの段階から関わっていけそう

パイオニアはデジタルへの移行を図る変革期にあります。そのため、ソリューション企業への変革に向けた組織体制や文化については、まだしっかりとしたものが確立されているわけではありません。逆にいうと組織や文化づくりの段階から自分の力をプラスに作用させることができるのでは、と考えました。こういう機会は滅多にない、仕組みづくりをして確立させたら自信になると思ったのも入社したいと思った要因の一つでした。

現在の業務内容

私が今従事しているのは、カーナビに必要な機能を提供するクラウドサービスの開発・保守の業務です。クラウドサービスが提供する機能の中で「ルート探索API」があり、私はそのAPIまわりの機能開発および性能改善の業務を行っています。
 
ルート探索の機能自体はdijkstra法を組んでしまえばOKなのですが、「多様なニーズに応えるための」適切なルート探索、となると開発の余白がある部分になります。例えば、「少し時間がかかってもよいから広くて運転しやすい道を行きたい」のか、「道が狭くても構わないからとにかく早く着きたい」のか、「もう少し高速料金やガソリン代が安くなるような道を行きたい」のか、といったそれぞれのニーズに対応していく必要があり、これらのニーズに応えていくことが私の主業務になります。
 
また、ルート探索の開発においては動くAPIを作っておしまい、というわけにはいきません。APIで弾き出したルートが本当にニーズに応えるようなものになっているか?処理速度が遅くて使えない、などの弊害はないか?など評価をする必要があります。
評価の際には地図にルートをプロットしたり、大量にルート探索させた結果を分析し、統計的なアプローチで評価したりします。この評価のところでデータサイエンスで培った能力が発揮できているかなと思います。
 

働き方やチームの雰囲気ー柔軟で風通しのよい風土ー

現在、私が所属しているチームは15名程度、30代の社員が多めです。新卒でパイオニアに入社した社員が大半で、キャリア入社組は私ひとりです。伝統的なメーカーの職場の雰囲気そのままかなと思われるかもしれませんが、そうではありません。休みも取りやすく、柔軟に働けるなと感じています。また、技術開発に当たっては、過去に実践した事例を共有しながら話を進めていくことが多く、コミュニケーションが取りやすいですし、なんでも聞きやすい雰囲気ですね。
 
ただ、外から来た身としては、「老舗メーカーっぽいな」と感じるところも。ひとつのプロダクトを開発するにあたり技術や仕様に抜け漏れがないかをチェックする「判定会」の回数が結構多く、そのたびにしっかりとした資料の作成が求められるので、けっこう大変……。こうした部分は、組織としてフットワークを軽く、スピードアップを図っていくための伸びしろがあるのではないかな、と思います。

これからの展望

まだパイオニアへ転職して日が浅いですが、今後はルート探索技術やVRP技術をさらに強化していきたいです。ルート探索技術の先には「ドライバー向けのナビ」だけではなく、自動運転に代表されるような「AI向けのナビ」もあります。いつかはクオリティの高い自動運転ロボットの開発を実現させてみたいですね。
“自動運転”といっても、やはりそれを操るコンピュータは人間との連携が必須。そのあたりの強化も、パイオニアの技術を使えばうまくやれるのではないかなと考えています。もしそれがうまくいけば、昨今問題視されている荷物の配送ドライバー不足などにも、解決の糸口が見つかるかもしれませんよね。
 
また、現在の業務とは直接繋がらないかもしれないですが、競技プログラミング・Kaggleをもっと推奨して積極的にやれるような文化も構築したいです。現在、隔週で有志のメンバーが集まって競技プログラミングの練習会を開催したり、チームで競技プログラミングの大会に出たりしています。モビリティ分野とは関係ないかもしれませんが、チームとしてランクが上がっていけば「パイオニアの技術力はすごい!」って、ちょっとしたプロモーションにもなりそうですよね。新たな挑戦に興味を持ってくれる同志を、今探しているところです。

どんな人が向いている?

・細かくコツコツした作業もできる人
・コミュニケーション能力、リーダーシップのある人

数字を使った作業が多い中で、自分も他者も納得させられる説明ができる能力が必要になるかなと思います。データサイエンスは昨今注目が高まっていて、花形っぽくも見えるのですが、細かい分析や地道な作業が大半です。自分で考えた機械学習モデルやアルゴリズムを適用して、数字を扱うことにおもしろさを見出せる人が向いているでしょうね。

パイオニアでは一緒に働く仲間を募集しています。
ご興味をお持ちの方は、ぜひ採用サイトをご覧ください。


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