法人車両の走行データ活用でできることってなんだろう?
この記事はPioneer Advent Calendar 2022の11日目の記事です。
最近、ふと思ったことですが、自動車免許を取得してからの総運転時間は
プライベートな運転時間よりも会社の業務理由で運転していることの方が多いなと気づきました。
平日は、会社の社用車。頻繁ではありませんが、休日はマイカーや旅行先でカーシェアを利用しています。
運転機会のほとんどで会社の車をつかっているのであれば、社有車の走行データを有効活用できるようになれば、もっと生活が豊かになるのではないか?
普段何気なく運転している社用車だけど、データ活用で社会貢献できそうなことはないか考えてみました。
自己紹介
モビリティサービスカンパニーのビークルアシスト事業部に所属し、リードPMM(プロダクトマーケティングマネジャー)として従事している渡邉です。
入社以来12年間、法人の自動車利用に関するビジネスを経験したことで、自動車業界の仕組みや法人が取り組むべき課題を理解することができるようになりました。
だからこそ、働く人やその家族のために「もっと安全に、もっと便利に、もっと快適に」を形にしたいと思っています
◆車に関する得意なこと:
車の査定できます!板金できます!
コーティングはお任せください!(今の仕事には役立っておらず残念。笑)
◆その他趣味:
釣り(1級船舶もってます!)、ゴルフ(ベストスコア75です!)
興味のあるものは、仕事も趣味も全力疾走!
法人車両の走行データ収集方法は?
世の中の自動車の走行データの収集方法は、自動車メーカーが提供する「コネクテッドサービス」や損保会社が提供している「テレマティクス保険」、オートリース会社やハードウェアメーカーなどが提供している「車両管理サービス・運行管理サービス」などがあります。
データ収集方法の多くは、「ドライブレコーダー」、「デジタルタコグラフ」、「カーナビゲーション」などのハードウェアを自動車に装着して、自動車から取得できる「速度=車速パルス」の情報とハードウェアで取得する「位置情報(GPS)や加速度」のデータを収集しています。
最近では、通信回線をハードウェアに持たせることでリアルタイムにデータ収集が可能となったためデータ活用の幅が広がったとともに、移動データを活用したMaaS(マース:Mobility as a Service)という言葉も一般的になってきました。
パイオニアが、通信を使用した商品の販売を開始したのは2002年からです。初代iPhone(2007年)の発売よりも前に通信利用サービスに取り組んでいたというのは、ちょっと驚きですね。
パイオニアの商品
・初代エアーナビ:AVIC-T1 通信で地図や地点検索ができた市販世界初の通信型ナビ、2002年発売。
・スマートループ:蓄積型のプローブデータだけでなく、リアルタイムなデータも反映した渋滞情報提供サービス。2006年より、パイオニアだけでなく、他社メーカーにも情報を提供。
2013年からは画像共有サービスのスマートループアイの提供を開始。
・ビークルアシスト:2015年より提供開始した、法人車両向け運行管理・車両管理サービス。安全管理から業務効率化までワンパッケージで実現が可能。
どのようにデータ活用がされているのか
取得されたデータは、自動車の移動状況(交通量や時間帯)を可視化して効率的なルートを走れるようにしたり、渋滞に巻き込まれないようにわざと迂回させたりする最適なルート提案などに活用されます。業務用ならではの利用方法としては、経験豊富なドライバーの走行手順や駐車位置の記録、業務の引き継ぎなどに活用されることもあります。
特に「位置情報×加速度(自動車の挙動データ)」を分析することで、ドライバーの運転傾向から交通事故のヒヤリハットマップの作成やハードウェアを通じで情報を通知することで事前に予測/回避行動が可能です。自動車の運転で一番重要な要素は「安全・安心」なこと。自身が事故を発生させないことも大切ですが、もらい事故のリスクを避けることで加害者にも被害者にもならないよう、注意喚起します。
◆取得されるデータの例
・走行している場所や時間・停車している場所や時間
・ドライブレコーダーの画像/映像
(道路の状態・混雑状況・運転状況など)
・ヒトの行動(操作)の履歴・クルマの故障状態・クルマの燃費
・運転の速度情報、運転の挙動情報
(急発進・急ブレーキ・急ハンドル)、強い衝撃の場所
◆法人のデータ活用の例
・走行データの履歴から日報を作成
・運転の挙動データから交通安全の指導や事前に危険地点の共有
・お客様の確実な送迎や迅速な宅配/運搬/訪問の実現
・効率的な労働環境の整備
社会貢献としてのデータ利用と可能性
日々、人の生活を豊かにするために約2,500万台もの法人車両が日本中を走り回っています。自動車のコネクテッド機器の普及によって、法人車両のデータ活用が進めば、最新の情報が膨大に取得できるようになります。
◆法人向け走行データの活用方法の可能性
・映像や画像データを活用した地域の防犯・防災対策や老朽設備の確認
・災害時の通行可能エリアの提供や効率的な救援物資の配送
・過疎地域での交通網の提供(移動手段のシェアリング)
・平日は、法人利用。祝日は、地域住民でシェアなどの新しい車両保有。
事故の未然防止や交通の円滑化だけではなく、付随して得られる情報から最新地図の作成、施設の混雑状況の把握、インフラのメンテナンス、地域社会の課題に対して交通支援網を構築など、メリットがたくさんあります。
さらに、MaaSの世界が広がってくると車に限らず、移動手段が最適化され必要なコスト・時間・労力がさらに効率化されてエネルギー消費量を削減でき、地球にとってもECOな世界を実現することが可能です。
ビークルアシストで提供したいこと
ビークルアシストの事業部メンバーで、より安全・快適・便利な法人車両向けサービスの実現に向けて、お客様の業務改善や課題理解に向けて500本の新しい機能立案にチャレンジしています。
(プロジェクト開始1か月で約450本!目標は大幅に達成!?)
さらに来年は、実際に利用するお客様へのヒアリングや運用検証を通じて機能実装に向けた活動を加速させていきます。
私たちのアイデアが形になり、少しでも早くお客様の元へ届き、必要不可欠なサービスになれたらこれ以上に嬉しいことはありません。
そして、サービスを通じて社会に貢献できること、みんなの生活が豊かになることを一日でも早く実現できるよう、今以上に努力していきます。
未来を描く!そして実現する!が、2023年に向けての私の抱負です!
最後になりますが、Pionnerでは一緒に働く仲間を募集しています。
Pioneer Advent Calendar 2022 の12日目は、SaaS Technology Center SaaSテクノロジー統括グループ サービス開発部 開発1課 村上尚希さん「中年組み込みエンジニアがWebエンジニアの世界に飛び込んでみた」です。
是非お楽しみに!