「セキュア・バイ・デザイン」の読書会をやってみた
こんにちは!パイオニア株式会社 SaaS Technology Center(STC)サービス開発部の坂根(2021年5月入社)です。
まえがき
2021年8月に設立されたSTCでは、オープンな形での読書会の文化がまだ根付いていませんでした。
話題の技術書はとりあえず購入して積読読むのが好きな私としては、
読書会の開催がない状態は寂しくてたまりません。
開催を待っている場合ではない、先ず隗より始めよということで、STC第一弾の読書会を企画して開催した際の顛末を記事にさせて頂きました。
ソリューションカンパニーへの変革のため組織再編や中途採用者が続々とジョインしている状況で読書会を開催した結果、思いがけないメリットや気づきもありましたので、最後までお読みいただけますと幸いでございます🙇♀️
セキュア・バイ・デザインを選定した理由
記念すべき第一弾として、この書籍を選定した理由は以下の3つです。
巷で話題になっていた最新の技術書
設計に関する書籍で、参加者の設計思想のぶつかり合いで面白くなりそう
技術書としてほどよいボリューム
それぞれ理由を詳しくご説明していきます。
Twitterでこの書籍がいいぞーと流れてきたり、DDD-Community-Jpさんがこの書籍の読書会を開催していたり、このビッグウェーブに乗るしかない(ふるい)。
真面目な話として、Eric Evans氏のドメイン駆動設計(Domain-Driven Design: DDD)に関する考えの影響を大きく受けていますという煽り文句にも興味を惹かれました。
弊社でもDDDを開発に取り組んでおり、DDDのアプローチがどのようにセキュリティに効果をもたらすのかを知り、今後の開発に活かしていきたい思いました。
中途採用者が多いということもあり、設計や品質をどう考えているかとかの基準が違ったりします。
実際のプロジェクトでバチバチにぶつかる前に、前哨戦として読書会を通して考え方の違いを知ることは今後の開発のためにもよいと判断しました。
560ページといえば、一人でもくもくと最後まで読み進めるのは大変だけど、みんなで読むにはちょうどよいサイズです。また技術書を読むのに不慣れなメンバーにとっては読後の達成感もかなりありそうだと思いました。
結果的に2021/12/02〜2022/02/25の全12回の開催で読了することができました🎉🎉🎉
読書会の進め方
主要なポイントは次の3点です。
まず参加者を募ってから定期開催の日を決める
ファシリテーターは参加者の持ち回り
事前に指定のページ(約40〜60ページ)を読み、miroにそれぞれの感想や疑問点、意見をまとめる
主催者の都合で決めた日時で毎週開催となると、参加者が少なくなると予想しました。
そこで、開催日時は参加者の希望を確認してからになりますが、毎週60分前後で開催する予定ですとゆるくチャットで呼びかけることにしました。
最終的には定時後の開催は、子どもの送迎や夕飯作りに忙しい人が多かったので業務時間内での開催(毎週金曜日13:00-14:00)としました。
最初は私が主催したので全部やろうかなと思っていたのですが、参加者が聴くだけの姿勢になっても困るなと思い、持ち回りでやることにしました。
主催者も参加者の気持ちで参加することができ、さらに運営としての負担も減りますので、ファシリテーターの持ち回りはお勧めです。
ファシリテーターが率先して書き残していくことで、他の参加者も続々と書いてくれました。
また忙しくて今週はあまり読めなかった・・という時も先に書いている人の内容を確認して、議論のポイントとなりそうなところだけを読むといったこともでき、参加者の毎週絶対読み切らないとという負担を減らす工夫を入れていきました。
またmiroの読書会ボードをTeamsのタブに組み込むことで、STCメンバーが誰でも閲覧、コメントを残せるようにしました。
やってみた結果
今回、参加者は9名でした。内訳は、パイオニア一筋の方が4名、中途採用者が5名(内4名が2021年入社)。
終わったあとに早速アンケートを取ったのですが、概ね高評価(5段階評価で4.55)でした。
以下、アンケートの抜粋になります。
参加した感想は?
バックグラウンドの異なる参加者の色々な経験や設計に関する思想を聞けた点がよかった
一人で読むより深い理解が得られた。読書会のおかげで書籍を読むモチベーションも保ちやすい
他の人の意見を聞くことによって、書籍だけでは得られないことが多くあった
読書会で学べたことは?
自分が知らないことや意識していないことに気づけた。シニアエンジニアの解説のおかげで設計力が少し上がった
書籍に書いてあることが全て正しいと言う訳ではなく、著者の設計思想やその時代の課題や背景を知った上で読まないといけないんだと他の参加者の意見をきいて改めて感じた
思いがけないメリットとは
ここまで読んでいただいてありがとうございます。
さて冒頭でお伝えした思いがけないメリットは何かと言いますと、チーム内外とのラフなコミュニケーションです。
最近はリモートワークが恒常化しており、他チームとの雑談の機会や仕事や設計に関する考え方などをやりとりする機会が減っているかと思います。
ということで、新組織の立ち上げや中途採用者が続々と増加しているような組織では、1on1や仕事を通じてだけでなく、読書会を通じてコミュニケーションを取ることで、プロジェクトが円滑に進んでいくことになると思います。
上司の方は是非、部下に対して業務時間内に読書会を開催してもいいよ、と言ってあげてください。結果的に業務の効率も上がりますので。
おわりに
願わくば、どの読書会に参加するか悩むなーという状態になって欲しいのでこれからも継続して読書会を主催していきたいと思います。
直近では、Googleのソフトウェアエンジニアリングやソフトウェアアーキテクチャの基礎についても読書会を開催したいな、と目論んでいます。
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