変革を進める企業での働き方とは?パイオニアの経理のおもしろさ
従来の“モノ”を売るビジネスモデルに、ソフトウェアなどの“コト”を掛け合わせ、ソリューション企業への変革を推進しているパイオニア。
その中で社員は何を考え、どのように働いているのかインタビューしてみました。
今回話を聞いたのは……
入社の経緯
──製品と社風をきっかけに入社を決意
パイオニアに新卒で入社して、現在11年目です。大学時代は法学部に在籍していたので、特に会計の勉強をしていたわけではなく、会計の専門知識は入社後に1から身に付けました。就職活動は製造業を中心にエントリーしていましたね。日本が世界に向けて強みを発揮してきた領域ですし、「できる限り良いものをできる限り安く作る」という、明瞭でわかりやすい収益構造が魅力的に感じました。
パイオニアに対しては学生の頃から「機能性とデザイン性が調和したオリジナリティ溢れる製品を作っているな」というイメージを抱いていました。特に印象深いのは、学生時代にアルバイトをして買ったサラウンドヘッドホンの「SE-DIR2000C」ですね。当時の私にとっては決して安くはない買い物でしたが、まさに機能性とデザイン性が両立した名作で、10年くらい愛用していました。また、学生時代はロードバイク(スポーツ自転車)に乗っていたので、パイオニアのペダリングモニターシステムも印象深いです。こちらは学生のお財布では手が届きにくい価格でしたので、私自身は買えず終いでしたが、周囲の自転車仲間からの評判はかなり良かったですね。
パイオニアの採用面接では、面接官がすごく話しやすい雰囲気を作ってくれたのが印象的でした。私が受けた際は自己PRやガクチカなどの典型的な質問はほぼされず、私が話しやすいであろうトピックを中心に掘り下げてくれたので、「面接」というより「対話」であると感じました。型にはまった就活生としてではなく、人となりをしっかり見てくれていると感じ、入社への意欲が大きく高まりましたね。
一方で、当時の会社の業績はかなり厳しい状況で、時には悪いニュースが入ってきたり、家族や友人から心配されたりもしました。これに対して、意外にも不安な気持ちはほぼ無く、むしろ「構造改革の中で、若手のうちから責任のある仕事を任せてもらえるかも」とポジティブに捉えていましたね。今振り返ると、予想通りの結果となり、当時の私の判断は間違っていなかったと感じます。
業務内容
──決算業務から新規事業・海外案件まで幅広く担当
入社してから最初の5年は財務部でファイナンス関連の実務を担当し、その後経理部に異動しました。経理部では、業務ローテーションの中で一通りの実務を担当した後、現在は通常の決算業務に加えて、AI搭載通信型オールインワン車載器「NP1」をはじめとする新規事業の会計面サポートや、変化のスピードが激しい会計基準の変更対応、またITツールを用いた既存業務の効率化などにも取り組んでいます。
パイオニアは、母体となる本社のほかに国内外にグループ会社が多数あり、単体と連結の両方の決算対応が必要です。この点、当社の経理部は、それぞれを担当するチームに分かれるのではなく、ひとつのチームで単体から連結まで一気通貫で作業します。この方式はスケジュール管理が大変ではあるのですが、一人一人が幅広い業務を担当することで自然なスキルアップが図れますし、同じメンバーで最初から最後まで作業するため一体感・連帯感が生まれやすく、決算が完了した際の達成感は格別ですね。
また、当社はグローバル企業ですので、海外現地法人とのやりとりや海外向けビジネスのサポートなど、国境を越えた業務も数多くあります。特に、グローバルファンド傘下になってからは海外現地法人との連携がより密になり、英語での会議が増えてきましたね。ただ、私はあまり英語が得意ではないので付いていくので精一杯なんですが・・・(笑)。
グローバルファンド傘下での変化点
──スピード感・一体感のある経営管理
上場していた頃の決算は、有価証券報告書の作成など、社外の投資家に向けて決算内容の開示・説明を行う業務が大きな比重を占めていましたが、非上場となりファンドの傘下となってからは、社内で経営管理を行うための数字の取りまとめや分析(いわゆる“管理会計”)に関連する業務の比重が高まったと感じています。もっとも、我々経理部が作った決算数値が各種重要判断に用いられる、という点は同じですので、上場前と後でモチベーションに大きな変化はありませんでした。
また、「上場廃止・非上場」という単語は少し印象が悪いかもしれませんが、現在は単一の株主の元で一体感・スピード感を持って会社の変革に取り組むことができ、逆に社内の士気が高まっているのを感じますね。こういった一体感・スピード感は非上場会社ならではのメリットだと感じます。
これからの展望
──データを活用できるスキルを習得したい
最近は、社内の既存データをより効率よく活用できないか、考えています。パイオニアは歴史が長く規模も大きな会社なので、社内のいたるところにさまざまなデータが分散していまして、例えば日々の業務の中でも「毎回手作業で編成していたデータと同じ物が実は既に社内の別領域に存在していた」みたいなことが度々あります。こういった非効率を改善するために、データの連携・統合・分析を行う実務スキルを身に着けたいと考えています。全社レベルでも、そういったシステム・データを統合していく動きがありますので、経理部も乗り遅れないようにしたいですね。また、こういった活動で集約されたデータを組み合わせて新たな付加価値が生まれる可能性を考えると、パイオニアはまだまだ伸びしろがあるとも言えますね。
これに関連して、近々「どこでもチャレンジ研修」という人事制度を使い、データベース構築の基礎知識を学ぶ社外研修を受講する予定です。「どこでもチャレンジ研修」は、希望した社外研修(担当業務外でもOK)を会社の費用負担で受講できる制度です。社員の自発的な学びを支援してもらえるのは大変ありがたいですね。将来的には、「会計」の領域とデータを始めとする「IT・システム」の領域を橋渡しするゼネラリスト的な経験・スキルを身に着けたいと考えています。
どんな人が向いている?
①はともかくとして、②を意外に思われる方がいるかもしれませんが、②は非常に重要な資質だと考えています。なぜなら、我々は独立した会計事務所ではなく「事業会社」の経理部門なのであって、全ての業務は事業のためにあると言っても過言ではないからです。それゆえ、業務の中で事業部や現場の社員と関わる場面は多々ありますし、そういった中で積極的に情報収集・コミュニケーションをしていかないと業務が上手く進みません。一方的に事業部、現場の社員に会計ルールの遵守を求めるのではなく、事業運営の中でそれを実現する手順・業務フローを一緒に考えていこうとする姿勢が大事です。逆に言えば、そういった資質や熱意さえあれば、学生時代に会計の勉強をしていなくても全く問題ありません。(前述の通り、私自身も入社時は会計の専門知識はゼロでした。)
もし、このインタビューを通してパイオニアの経理に少しでも興味を持った方がいれば是非エントリーして頂きたいですね。お待ちしております!